月別アーカイブ: 2012年10月

【うんちく】内羽根式と外羽根式について

2012/10/21

 

今回は、店長うさぎの餡が、こちらの投稿でお話ししていた内羽根式と、外羽根式とについてです。

 

 

さて、以下の2つの商品、違いが分かりますでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紐の通し目に注目してください。

 

向かって左側の靴は、「外羽根式」と呼ばれるもので、甲より前の部分に、鳩目の部分が乗っかっているのが分かります。

 

対して、右側の靴は「内羽根式」と呼ばれるものです。

甲より前の部分に、鳩目の部分が潜り込んでいる状態の紐靴を、こう称します。

 

 

両者は、その見た目もさることながら、作られた背景(歴史)や目的が異なっています。

 

ここからは、それを説明しましょう。

 

 

 

 

 

まず、左側の靴、外羽根式についてです。

 

外羽根式は1810年、プロシャ軍のブリュッヘルが軍靴用に考えたといわれています。

履き口が外に開き、ヒモで締めるタイプです。「ブラッチャー」とも呼ばれ、特に英国ではダービー型と呼ばれています。

また、プロシアの陸軍元帥だったゲルハルト・レーバレヒト・フォン・ブラヘルが、

このスタイルで戦闘用ロングブーツを仕立てさせ、1815年にかの「ワーテルローの戦い」で、

フランスのナポレオンに立ち向かったというお話もあります。

 

羽根の部分が大きく開くため、着脱やフィット感の調節が容易という点が利点です。

元々はブーツに用いられていましたが、1860年ごろから短靴にも用いられるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

対して、右側、内羽根式はどうでしょうか。

 

内羽根式は、19世紀の中頃、英国のヴィクトリア女王の夫君、アルバート公がスコットランドの

バルモラル城でデザインしたことが名前の由来といわれており、ヒモで締めるドレッシーなタイプになっています。

アルバート公が好んで過したスコットランドの王室御用邸にちなんで、「バルモラル」あるいは

生まれた土地の名前「オックスフォード」ともいわれます。

 

羽根の部分が全開しないので、外羽根式に比べるとフィット感の調節や着脱のし易さには難がありますが、

見た目の清楚さから、フォーマルユースや室内執務用の靴として普及してゆきました。

 

 

 

 

 

日本では、あまり気にされていませんが、外回りの多い営業職の人は外羽根を、

内勤が多いマネジャーなどの管理職の人は威厳のある内羽根をのようにシーンで使い分けるのがベターです。

 

 

また、当店にて一度おしゃれだなあと思ったのは、スポーツ選手の方からご注文を頂いたときのことでした。

 

 

本来内羽根の靴の、外羽根式Verがどうしても欲しいと言われたので、

わけを伺ったところ、自分の活動性をアピールするために外羽根式を注文したいということでした。

 

 

スポーツ選手という自分を、靴を履くシーンに例えたわけです。

 

 

 

こういったこだわりを持って、靴を履かれる人は素敵だなあと思います。

 

 

靴を選ばれる際には、是非、自分の活動シーンを想像し、それにあった様式を選んでみてください。

 

 

 

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【うさぎ店長日記】サバンナにこそいい靴を【Maglayのお話】

 

どうも。

 

うさぎ店長こと餡です。

 

 

飼い主が遅めの夏休みを取るとのことで、私、預けられております。

 

 

「少しの間家離れるけど、おやついっぱい貰えるところに連れて行ってあげるからね!」

 

 

という甘い言葉に乗ってやってきてみれば・・・

 

 

 

 

 

 

なんですか、これは!?

 

 

 

他のペットさんとの共同生活ではないですか!!

(勝手に載せるのははばかられるので、やめましたが、隣のケージとかにうさぎやら、

犬やら( ;゚Д゚))猫やら( ;゚Д゚)))がおるのです。こここそ、まさに都会のサバンナ!!( ;゚Д゚))))))

 

 

 

 

こちとら生まれたときから、一人暮らし(人間とは同居)で集団生活に慣れておらぬのですよ!!

しかも、ほぼ小屋の中で住んでたわけで、いわゆる引きこもりってやつだったわけですよ!!

 

 

 

 

くっ!

 

 

 

これも大人になるための試練なのか!!?

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

はい、靴には全く関係ない話です。

 

 

 

でも、こうやって他のやつらと顔を合わせると、身なりに目が行きます。

 

 

毛並みのいい奴や、つやつやした奴は、やっぱり見ていて

どんな仕事(飼われ方)しているんだろう?って気になってしまいます。

 

 

 

まあ、店長をやっているのは私くらいでしょうがね!!( ・´ー・`)

 

 

 

動物なので、ほとんど靴は履きませんが、人間の皆さまは

おしゃれは、足元からと言いますし、是非、いい靴を履いて出かけてくださいなー。

当店でもAldenやEdwardGreenと言った名靴を扱っておりますので☆

 

 

 

・・・飼い主、早く帰ってこないかなあ。 (´ノω・。)

 

 

 

 

うさぎ店長 餡より

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【うさぎ店長日記】Aldenは必ずしも最高と言うわけではない【ファッション】

2012/10/13

–後日追記–

※この回はAldenについて記述します。当店の考えるAldenの問題点をご覧ください。

なお、Aldenのおすすめポイントはこちら↓にも書いてあります!好評ですので、是非ご覧ください!!

Aldenをおすすめする10の理由

 

また、Aldenの商品一覧は、こちらで、一番売れ筋の商品はこちらです。

—-

 

こんにちは。

 

うさぎ店長こと餡です。

 

 

 

久しぶりの更新になりました。季節はすっかり秋ですね。

大根(本来は冬野菜のはずですけどー。)がうまいです。

 

 

さて。

 

私、靴屋の店長として、そろそろ半年仕事しているわけですが、その間ずっと靴の勉強をしております。

 

 

飼い主から店長を言い渡されたあの日には、全く知らんかったAlden,EdwardGreenは、

今や当店の売れ筋商品(と言いうか他がなさすぎ。。。)という事もあり、それなりに知識を、持っているつもりです。

 

 

この間なんか、飼い主の仕入れ商品探しにつきあって、靴屋に行った際、

 

 

私:「ぷうぷうぷぷう。(訳:グッドイヤーウェルトかマッケイで作られた靴で、日本未入荷のやつありますか?)」

展示場の人:「え!?なんだこのうさぎ!? (; ・`д・´)」

 

 

と、プロをも知識で圧倒してやりました。( ・´ー・`)

 

 

自分で言うのもなんですが、まさに店長としての仕事をしてやったわけです。( ・´ー・`)
(あ、今日はドヤ満載のブログですので。お気を悪くされませぬよう。)

 

 

そんな中、最近ちょっと気になっている事があります。

興味がわき知識もついてくると、言いたい事も出来てきます。

 

 

なので、今回は、この場を借りて言わせて頂きたいと思います。
上から目線ですが、ご容赦を。

 

 

言いたい事。それは、

 

 

 

「Aldenは本当に最高なのか??」ってことです。

いや、正確には、「巷ではAldenの悪いところが全然あげられてないぞ!」ってことです。

 

 

 

 

当店の一押し商品なので、これをディスるのは勇気がいります。

でも、あえて言いたいのは、靴にはシーンに合った使い方や、デザインがあり、

同様に、靴のメーカーにもいいところと悪いところがあるということです。

 

 

例えば、外羽根式の靴(今度飼い主が「うんちく」で書きます ⇒2012/10/21追記。 こちらに書きました。) は、

内羽根に比べて着脱のしやすい構造を持っていることから、アクティブなシーンに向いています。

日本の式では許されていますが、本来パーティーなどでは歓迎されません。

元々の生い立ち(靴の生まれ)がそういうところにあるためです。

 

 

同様にAldenの靴にもいいところと悪いところがあります。

 

 

Aldenの人気靴(素材)はコードヴァンが使用されているもので、当店でもよく売れています。

ご購入下さる方は皆、コードヴァン=Aldenというイメージがあるので、あの光沢を求めてAldenを探されています。

 

 

 

でも、コードヴァンは独特の光沢と履き皺を持つという、素晴らしい点が魅力である半面、

耐久性という面に目を向けると、一概にイイとは言い切れないところがあります。

 

 

コードヴァンは、確かに繊維は緻密で、キズなどに対しては強いと思います。
ただ、カーフなどと違って内側を使うため、繊維の構造上、内側から割れてしまうという事が起こりえます。

 

 

また、これはアメリカ靴全般に言える事ですが、

日本製の靴などに比べて作りが荒いです。平たく言うとおおざっぱなのです。

 

 

これは、日本人、アメリカ人といったイメージ上の話だけではなく、実際に

接着剤がはみ出している率が6‐10倍とか、両足のサイズが違う可能性が12倍

と言った表に出てこないものの、数値として存在しているものなのです。

 

 

なのに、最近の雑誌の特集のされ方とかを見ると、

「コードヴァンは最高の素材」とか、「Aldenは堅牢だ!」とかといった

売り手側の情報ばかりが流れていて、悪いところが語られていません。

 

 

表層的なファッション性と、売り文句のような、いい面ばかりが取り上げられていて、

履く人が、その情報をうのみにして買ってしまうと、後で後悔するのではないかと思っています。

 

 

勿論、当店も売り上げはほしいので、煽る側の気持ちは分かります。

 

 

でも、買った人が一度後悔すると、その次から買ってもらえなくなりますし、

友人などにも勧めてくれなくなります。

結果、メーカーも、販売店も、ユーザーも、皆が不幸になるんです。

 

 

 

せっかく買っていただく方には、悪い面も考慮してなお、Aldenが欲しいと思ってほしいのです。

長い付き合いを求めて買われるのであれば、いい面と悪い面を合わせて知ってほしいのです。

「結婚したらなんか違った」という夫婦生活を送ってほしくないのです。

 

 

Aldenはやんちゃな靴です。

 

 

 

作りは荒いし、出荷時から微妙に傷が付いているものさえあります。

 

 

でも、愛した分は返してくれる義理人情のわかる靴です。

使い込んだ時に出てくる味わいや、見せる表情は、他の靴では見られないものです。

ネームバリューから来るステータスや、多くのファンがいることによる愛好家同士の会話も、その価値の一つでしょう。

 

 

Aldenは「最高の靴(メーカー)」じゃありません。

でも、「最高に好きな靴(メーカー)」にはなるかもしれません。

 

 

その橋渡しをしたいと思っている、今日この頃です。

 

 

む。

 

 

なんかいいこと言った気がする。

文句言っただけだけど、書いてて途中から店長らしくなった気がする。なんか非常にいいこと言った気がする。

 

 

うむ。 (´゜Д゜`)満足したのでこの辺で。

 

 

今日は長文お付き合いいただきありがとうございました。

 

ではー。

 

うさぎ店長餡より

 

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