【うんちく】靴の製法について~その1~

 

 

今回は、靴の製法についてです。

 

革靴は、どの製法で作られたかで、その用途が大きく異なってきます。

そのため、一生ものの靴を選ぶ際には、その製法を知らずして、選ぶ事は出来ません。

 

Wikipedhiaからの転載も利用しながら、そこにコメントを加える形で製法についてのうんちくを記載します。

 

全2回で、有名な製法を記載するつもりです。

 

 

1、グッドイヤー・ウェルト製法

 

グッドイヤー

 

–以下、wikiより–

ハンドソーン・ウェルテッドと呼ばれる手縫いの製法を元に、米国のチャールズ・グッドイヤー2世がそれを機械化し確立した方法。名称は発明者から。 中底に貼り付けられたテープのリブと呼ばれる部分に甲革、裏革と細革と呼ばれる細い帯状の革(ウェルト)を縫い付け(掬い縫い)、その細革とソールと縫合する(出し縫い)。ソールと甲革が直接縫い付けられていないため(複式縫い)、ソールが磨り減った場合はオールソールと呼ばれる、靴底全体を新たなものに付け替える修理が可能である。ただし、構造的に堅牢であるため比較的重く、硬い仕上がりになる。工程も複雑なために他の製法による靴に比べ、販売価格が高めに設定されることがある。主にビジネスシューズやワークブーツになど用いられる。歩行性・緩衝性に優れ、また長時間着用を続けるため通気性も優れたものが多い。

 

  • ・長所
    • 縫い目のある製法としては、水が浸入しにくい。
    • 内蔵されたコルクが緩衝材となるため、長時間の歩行に適している。
    • 長期間使用していると、上記のコルクが沈み込み、使用者の足の形に変形するため、独特のフィット感がある。
    • 構造上、比較的に堅牢な造りのものが多い。
    • 靴底と甲革が厚手の物が多いため、型崩れしにくい。
  • ・短所
    • 製造コストが高い。
    • 比較的に重い物が多い。

—-

 

 

使用されている靴としては、有名なところで、

チャーチ,トリッカーズ,エドワードグリーン,ジェイエムウエストン,ア テストーニ,オーベルシー,サントーニ,オールデン,サンクリスピン,アルフレッド サージェントカルミナ,ヤンコ,エンツォ ボナフェ,アルトロ,ジョージコックス,リーガル,三陽山長,レッドウィング,グレンソン…

書ききれないくらいですね。

 

 

個人的には、この製法はコストパフォーマンスに優れると思っています。

短所に製造コストが…ト書いていて矛盾するのですが、この製法は、結果、長持ちします。

 

 

靴の傷みやすい、アウトソールなどだけ、交換するのに適していたり、そもそも構造的に壊れにくかったり・・・

と、一生ものの靴には最適な作り方をしているのです。

そのため、高いけど長持ちする=コスパが良い。と、なるのです。

 

 

 

2、マッケイ製法

 

 

マッケイ

 

–以下、wikiより–

甲革とソールをマッケイミシンで直接縫い付ける。グッドイヤー・ウェルト製法に比べ構造が単純で、やわらかく仕上がる。また、グッドイヤー・ウェルト製法に対して軽量化が可能で、廉価化が可能である。主にビジネスシューズなどに用いられる。

 

  • ・長所
    • グッドイヤーウェルテッド製法より製造コストが安い。
    • 比較的に軽く作れる。
    • 構造上、薄く柔らかい革を使用できるため、全体的に柔らかく仕上げることが出来る。
    • 靴底を薄く作れるため、返りが良い物が多い。
    • 通気性はよい。
  • ・短所
    • 中物がない分、クッション性に乏しい。
    • 靴底に縫い目があるので、水が浸入しやすい。ただし、縫い目を接着剤で塞いで、それを防いだものもある。
    • 全体的に薄い造りのものが多いため、堅牢性に乏しく、型崩れしやすいものもある。
    • 長時間の歩行は疲れやすいといわれている。

—-

 

メジャーな製法なので、使用されている靴はほぼグッドイヤーと同じです。

 

この製法は、上記以外にも、上品という特徴があります。

個人的には好きな製法です。

 

グッドイヤー・ウェルト製法よりコバの部分がスマートな印象になり、

かつ、軽量でソールの反りが良いために、イタリアの靴などのドレスシューズに多く用いられます。

頻度は多くないけど、「ここぞの時に履く靴」には最適な製法ですね。

 

 

 

 

3、ステッチダウン製法

 

 

ステッチダウン

 

–以下、wikiより–

甲革とソールを直接縫い付けるが、カップソールと呼ばれる縁がせり上がったソールを甲革にはめ込み、外周を縫合する。縫い目が地面に直接触れないので、地表に水分が有っても靴の内側まで水がしみこむことは無いが、縫い目まで濡れる場合は足がぬれてしまう。テニスシューズなど、スポーツシューズ(特定の用途に特化した靴。スパイクシューズなども含む。)にこの製法が多い。かかとが無い平底になるため、シャンクは入れない。

 

正直、この製法はあまりドレス靴には用いられません。

(ゴルフシューズなんかは、革靴でも使用しますが・・・。)

では、なぜ、ここに書いたか。

 

 

それは、ブーツに非常に採用頻度の高い製法だからです。

 

上記の図のように、甲革を外に向けてつり込み、表底を貼り付け、中底と一緒に縫い込むという簡単な製法のため、

ステッチダウンで作られた靴には返りが無いことが多く、履き心地の点から言うとマッケイやグッドイヤーに劣るでしょう。

ただ、シンプルな構造、質実剛健といった感じのクラシカルな印象は、他の靴には無い魅力となっていて、

武骨さをウリとするブーツには持ってこいの製法なのです。

 

 

 

 

このような感じで、靴にもその用途に合った作り方があります。

 

作り手の工夫などを知ってこそ、一生の付き合いが出来るというものです。

 

マニアックな情報ですが、是非、この機会に靴の裏側(中身)のお話も知って下さいね。

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