【うんちく】高級靴に使用される革について~その2 牛以外の革の種類~

 

高級靴に使われる革についてのうんちく第一回では、皮と革についての違いと、牛側の種類について触れてまいりましたが、第二回では牛以外の革についてご説明いたします。
 

1.動物の種類ごとの革の特徴(牛以外)

 

 
馬革といえば、おなじみのコードヴァン。
Alden 9901(オールデン9901)に代表されるように、高級靴にはよく使用されている。
一部の馬の臀部から採取されるもので、空気も通さないほど緻密で丈夫、さらに美しい光沢を持っているのが特徴。
 
数ある靴用の革の中でも別格といってよいものである。
 
コードヴァン以外の馬革はまとめてホースレザーと呼ばれ、コードヴァンに比べると耐久性に劣りますがやわらかいため、ジャケットやソファー、靴の内側などに使われている。
 
詳しくはうさぎ店長日記【靴のお話】 Alden(オールデン)~Cordovan(コードヴァン)について~

 

国内で自給されており、質の高さが評価され海外にも輸出されている。
毛穴が空いているため、通気性に優れている。
 
また、比較的軽く、柔軟性にも優れているため、歩きやすいという特徴もある。
 

 


 
シープスキンと呼ばれる。
強度がないため通常革靴には使用されないが、最近ではムートンブーツなどに使用されている。
ちなみに、ムートンとはメリノ種の羊革の名称である。

 

鹿


 
軽く、なじみやすい柔らかさを持つため、古くから日本でも武具や馬具に使われてきた。
耐水性も高いため、雨にも強い。
 

 

ヤギ


 
表面の細かなシボが特徴。
革は薄いが丈夫で柔らかい。
特に子ヤギの革はキッドスキンとよばれ、さらに薄く繊細なため手袋などに使われる。
 

 

2.エキゾチックスキン

 
家畜以外の動物全般を指すエキゾチックアニマル(Exotic Animal)の革を総称してエキゾチックスキンと呼びます。

ワニ


 
使う場面を選ぶが、エキゾチックレザーの中でも圧倒的な人気を誇る革。
意外に水に弱く、ケアをしなければ劣化しやすいので注意が必要。
牛革に型押しされている商品が非常に多いので、購入時には注意。
 

ダチョウ


 
オーストリッチと呼ばれる。
毛を抜いた毛穴の部分が独特の突起になる。
柔らかな手触りと、絞っても平気なほどの柔軟性も魅力。

サメ

 
始めはザラザラしている触感だが、使うごとにツヤが出てくる。
捕獲量が限られ、染色やなめしも困難なため、希少な革である。
 

ヘビ


(画像は苦手な方に配慮いたしました)
 
独特のウロコの模様と、使い込むごとに経年変化していく点が魅力。
なめされたパイソン皮革は耐久性も十分で、ケアも比較的簡単。

エイ


 
泳ぐ宝石と称され、高級素材として人気が高い。
スティングレイ、ガルーシャと呼ばれる。
美しいだけでなく、耐水性、耐摩擦性にも優れるため長年にわたって付き合える素材。
 

トカゲ

 
インパクトのある銀面模様が珍重されている。
トカゲのなかでも革製品に使用できる品種は10種類程度。
 
使いこなすのは難しいですが、オシャレ上級者の必殺アイテムになるでしょう。
 
 
 
二回にわたって、靴によく使用される革について紹介してまいりました。
他にもカンガルー、象、イノシシなど色々な革が使われていますが、今回はこの辺でお開きにしましょう。
 
街で「ちょっと質感の違う靴」を見かけたら、何革なのかを気にしてみてはいかがでしょうか。
 

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