今回のうんちくでは、靴の素材となる革の特徴についてご紹介します。
靴を購入する際に、形やデザインなどはパッと見てわかりますが、革についてコメントできる方はかなりの靴通ではないでしょうか。
ということで、明日から使える失敗しない革素材の特徴と選び方のポイントをまとめてまいります。
0. 革と皮
まずは、革と皮という漢字の違いから。
皮=原皮 という言い方もしますが、要は動物の体から剥いだままの状態のものです。
原皮のままの状態ではすぐに変質したり腐ったりしますが、これになめし作業が加わることによって長持ちし、加工もしやすくなります。
皮は「スキン」または「ハイド」、革は「レザー」というように呼称が区別されます。
1.動物の種類ごとの革の特徴
A.牛革(カウレザー)
靴などの革小物を作成する際に最も一般的なものは牛革ではないでしょうか。
加工や部位によって名前のバリエーションが最も多いのも牛革ですね。
まずは、その牛革を年齢(厚み)から分類してみましょう。
<若い(薄い)>
カーフ
生後6ヶ月までの仔牛(きめが細かく繊細なので牛皮の中でもっとも上質とされる)
キップ
生後6ヶ月~2年までの中牛(カーフに比べ厚い。カーフよりは劣るが上質な革 )
↑スキン
↓ハイド
カウ
生後およそ2年の牝牛(厚く丈夫なのが特長)
ステア
生後3~6ヶ月に去勢された牡牛が成牛(約20kg以上)になった時の革
ブル
生後3年以上で去勢されていない牡牛(牛革の中では最もキメが粗いが、厚くて丈夫なので主に底革に使われる)
<成牛(厚い)>
薄さの順番に並べてみましたが、一般的にカーフスキンがもっともきめ細かく上品とされ、高級革製品に使われています。
逆にブルハイドはその上部さからアウトソールに遣われることが多いです。
全体的に質が均等で加工しやすいステアハイドが、量的には最も出回っているようですね。
ということで、今回はまずは皮と革の違いと、牛革の種類をまとめて終わります。
次回、牛以外の動物の革についてもまとめたうんちくを公開いたします。